測量調査の概要
調査の目的
この城址は保存状態が良好で,現在でも地表面に道路・建物跡が確認でき,城内の様子を発掘せずにある程度判断することができます。全面調査が不可能な城郭遺跡では,地表形状の詳細な記録は研究上重要な資料で,全体設計の検討や,発掘調査計画策定のための検討材料にもなります。
そこで,新たに測量調査を行い,精度を向上させることにより,精密な城址の全体図・遺構図・地形図・遺跡の遺存状況図の作成を目指しました。
測量方法
チントルゴイ城址は南北1km以上の巨大な遺跡です。そこで作業の簡便化のため、GPSによるスタティック(Static)測量とキネマティック測量により,測量基準点を配置しました。また、遺構と地形の測量は,測量基準点からのコンパス測量,GPSのキネマティック(Kinematic)測量による測点の取得という手順で行いました。
この結果を20万分の1地形図と,スペースシャトルにより得られた全世界高度情報(SRTM)の標高値と比較したところ,実によく整合していることを確認しました。3年間の測量により,城壁,街路,内部の建物,内部の地形をほぼ完了し,場外遺構の一部を測量することができました!