中村(敦)研究室
       
ホーム
ゼミナール
授業の紹介
英語の学習
◆アメリカの文学
◆リンク
過去のお知らせ
                                        
ホーム ◆ゼミナール ◆ゼミ論


2005ゼミ論
             
ラスベガスの歴史と発展

新田 洸洋
 

 私は今回ラスベガスの歴史と発展というものを、ラスベガスの全ての中心であるカジノを中心に考えてみたいと思う。
 
 まず初めに、カジノとはギャンブルのできる場だけを指すのではなく、ゲームフロアの他に様々なエンターテイメントを含んだ巨大施設のことを言う。カジノとパチンコ等のギャンブルと比べた場合、それがもたらす経済効果が全く違う。前者は地元顧客、観光客、ビジネスマン等幅広い客層をターゲットにしたものであり、後者は地元顧客のみをターゲットにしたものである。この客層が、カジノ、ラスベガスを潤している大きな要因の一つである。
 
 また、カジノにとって規制は最も重要なものである。規制とは、すなわちカジノ業界の潔白さを監視し保つことである。そして、その強弱により経済効果は変わってくる。規制には大きく分けてネバダ州とニュージャージー州の二つのタイプがある。ネバダ州は比較的規制が緩く、それによって企業が進出し易く、市場競争や価格争いなどを自由にできる自由市場を持つという特徴がある。一方ニュージャージー州では規制が厳しく、様々な制限を伴うが、顧客からの信頼は厚くなる。また、カジノ監視組織が大きな力を持ち、時として裁判所でも覆すことができないほどの決定権がある。例えば、ゲーミングライセンスの発行等であるが、これは州政府の役員達がカジノ規制に手を出せるほどの知識がないというのがある。これは些か無責任だと感じる。私はカジノ監視組織を政府が監視しないと、より一層権力一集化を推進することになると考える。
 
 また、カジノの裏には、表とは違った問題を抱えている。その一つがオンラインカジノと呼ばれるものだ。これはインターネットを使って家に居ながらギャンブルができるシステムのことだが、アメリカには1961年に制定された通信法があり、電話線を用いてのギャンブルを禁止している。しかしアメリカには、アメリカ全土に適応される連邦法とアメリカ各州にのみ強制力のある州法がある。その他にもインディアン居住地の存在、サーバーの設置場所、利用者のアクセスポイント等、複雑に絡み合っていて合法か非合法かという判断は非常に難しい。またインターネットの秘匿性を悪用して、未成年がギャンブルをするということも可能になってしまう。アメリカ政府は否定的な態度を取り、ラスベガスの店舗型カジノもライセンス剥奪を危惧し、消極的であったが、ネバダ州がオンラインカジノ合法化に向け、法整備をすると発表すると一転、積極的な態度に変わる。カジノにとっては新たな顧客を確保でき、その収益はネバダ州の税収増へと反映されるという背景があったためである。私としては、この意見について否定的な意見を持っている。このシステムは問題が多すぎると考えるからだ。特に疑問を持ったのは、州のみに適用する点についてである。州のみを対象としたオンラインカジノでは収益を上げることが出来ないからである。ここまで積極的な態度を取るということは、州外、海外の顧客を黙認するというようには考えられないだろうか。
 
 カジノは華やかな一面を持っているが、裏には問題が多数存在する。しかしそれは善でも悪でもなく、あくまでギャンブルをする人がそれを左右すると考える。ラスベガスを評価できる点は、そのギャンブルをエンターテイメントまで昇華させたことだ。賭けに対する暗いイメージを払拭し、規則の中にある自由を作り上げたことがラスベガスを発展させていったのだろう。

 トップ アイコントップページへもどる