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2005ゼミ論
アメリカの食文化
伊藤 優希
朝はトーストやシリアルにコーヒー、昼はファーストフード、夜は肉やパスタ。これはアメリカ人の一般的な一日の食事パターンである。このアメリカ人の一般的な食生活をみると、手間のかかるものが少ない。今日では様々な国の食べ物がファーストフードとなっている。冷凍食品や惣菜などが充実しているから夕食も簡単である。実際アメリカ人は料理をしない人が少なくないそうだ。便利なものは確かに良い。だからといってアメリカ人は便利なものに頼りすぎているのではないだろうか。そこで、このような現代のアメリカ食文化はどのようにしてできたのか調べてみた。
アメリカの伝統料理はボストン・ベイクドビーンズやクラムチャウダーなど、植民地時代にイギリス人が持ち込んだ食文化がベースとなり、そこに先住民の食文化が合わさったものである。その後、科学技術の進歩によって、冷凍食品や缶詰、シリアルやファーストフードなど新しい食品が生まれ、人々の食生活は変わっていった。
しかしファーストフードや冷凍食品への依存度が高いのは、科学技術の進歩だけではなくアメリカ人の考え方にも理由がある。アメリカ人は何でも手軽で合理的なことを好む。すべてがタイム・イズ・マネーであり、「今を生きる」人たちである。また、新しいもの好きでもある。
アメリカは他の国より歴史の浅い新しい国であるが、軍事技術、医療、経済などの多方面で世界をリードしている。世界のリーダーともいえる国で生きるアメリカ人は自分の国に誇りを持っていると思う。その誇りとアメリカのこれまでの実績が、「新しいものは良い」「手軽で合理的なものは良い」という考えを確かなものにしているのだと思う。
合理的なことが好きなアメリカ人の考え方が、便利なファーストフード好きにしたのだろう。しかしこれでは栄養が偏ってしまう。そこでサプリメントを取る習慣が生まれた。ファーストフードに依存しておいてサプリメントを取ることは矛盾しているが、それでも料理をしようと思わないのは「手軽で便利だから」なのである。日本人である私達ならばこの先、栄養が偏るのではと心配する。しかしアメリカ人は先のことは考えないようだ。極端に言えば「今が良ければそれで良い」と考えているのだと思う。
また、アメリカ人には、良い人生を送ることができるか否かはその人の頑張り次第である、という考え方がある。自分の人生は自分のもの。だから、人生のクオリティを高めるのは自分の責任なのである。「今を生きる」アメリカ人としては、一生に一度の人生は最高の人生にしたい。だから新しくて便利で合理的なシステムと物に囲まれて生活をするのが好きなのだろう。料理はしなくても、キッチンには最新の便利な調理用具を揃えるのだろう。
また新しいもの好きのアメリカ人は流行に敏感である。健康食ブームが起きればそれに乗る。しかし本当に健康になりたいと思ってブームに乗るというよりは、ただ流行を追うことが好きなだけなのだと思う。健康食ブームがおきても、ファーストフード依存の食生活は基本的には変わらないからだ。
常に新しいことを追い続け、変化を続けるアメリカだから、この先も食文化は変わっていくと思う。現代アメリカ人の食生活はとてもシンプルなものに変わってしまったが、家庭的な料理が消えてしまったわけではない。感謝祭やクリスマスなどの行事になれば、アメリカ人は普段使わない調理道具を使って伝統料理に腕を振るう。行事の時だけでも、この先ずっと伝統は守っていってほしいと思う。
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