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ディズニーのアニメ映画の世界

 鳴海 雪乃

 

 ディズニーの映画は誰でも一度は観た事があるほど、世界に浸透しているエンターテインメントだ。なぜ、そんなにも万人に受け入れられるのか。それは、ディズニー映画のテーマである愛・夢・希望などが、観る人々の心をつかんでいるのだろう。しかし、それだけではない。作品の構成や画像へのこだわりも重要な要因となっている。その一つとして思いつくのが、必ずと言ってよい程ミュージカル風な歌が入っていることだ。歌は、非常に心に響きやすい。それを十二分に利用して、より強い印象を与えている。画像にも特徴があり、より人間味溢れた表情を作り出すために「プレスコ」という技法を取り入れたりしている。ディズニーの映画は、耳でも、目でも、心でも感じて初めて魅力を放つのだ。

 技術進歩の波に乗ったディズニー社は、近年、3DCGの技術に手をつけ始め、ピクサー社(フルCGのコンピューターアニメを世界初作り上げた業界最高のヒットメーカー)と共同で、世界初長編フルCGアニメとして,『トイ・ストーリー』(‘96)を発表し、アカデミー賞特別名誉賞をとった。CGが話題になり、様々なところから注目を浴びた。そして、99年に更なる進化を遂げて、『トイ・ストーリー2』が完成した。この作品は更なるディズニー・スピリットのメッセージ性を強く押し出したものとなった。内容的には、大人を喜ばせる名作映画のパロディが随所に散りばめられている。「ポジティブに行こうぜ!」という、いかにもアメリカ的な元気で力強いメッセージ性を感じる作品だ。

 本年度の最新CGアニメの『モンスターズ・インク』は、公開以来、ディズニー映画史上No.1、アニメ映画史上No.1といった数々の新記録を樹立し、一大センセーションを巻き起こし続けている。そんな大ブレイクの理由は、驚きに満ちた独創的なプロットと、バラエティー豊かな愛すべきキャラクター達。そして映画全体を包み込む限りない愛と友情の世界であり、かつ子供だったことを忘れていない大人達に、そしてやがて大人になる全ての子供達に贈る感動の冒険ファンタジーになっているからだろう。

 現代社会において、映画をアニメと非アニメに分けること自体が既に時代遅れなのかもしれない。類まれなるイマジネーションはあらゆる境界線を軽やかに飛び越えて,又ストレートに人々の心を打つものなのだと思う。

 ディズニーの世界は多彩な方面で社会に密接に関わっている。世界中が、そんなアメリカの生み出した巨大なエンターテインメントに魅了され吸収されようとしている。それは、これから先も大きくなる一方だろう。そんな風にアメリカン性を取り込む国が多くなり、各国の個性が失われることがないか、少し不安にも思うところもある。それでも私は、大人になってもディズニーの世界に魅了され続ける人間でありたいと思う。


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