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2001年度 ゼミ論

日系アメリカ人女性について

永津 藍子


 私はゼミ論で日系アメリカ人について調べてきた。調べた内容は大きく分けて2つある。1つは一世となった日本人女性がどのようにしてアメリカへ渡り、どのような生活を営んで現在の日系アメリカ人の基盤となったのか。2つ目は、第2次世界大戦はアメリカで生活していた日系人達にどのような影響を与えたのか、についてである。

 日系アメリカ人のことについて調べた始めたけっきけは、単に日系アメリカ人の祖先は、いつ、どうやってアメリカへ渡ってきたのかを知りたかったからである。だが調べていくうちに、日本人(男性、女性を含め)がアメリカへ渡った主な理由や異国で生活を営む難しさ、大戦中の悲劇や苦しさを知った。

 日本人女性がアメリカへ渡った主な理由は、現地に移民した日本人男性との結婚であった。ほとんどの女性が、現代では考えられない「写真結婚」という方法で結婚している。写真結婚とは、アメリカへ移住した日本人男性が故郷へ花嫁探しの依頼をし、依頼を受けた代理人が適当な女性を探す。男性の写真を見て、相手の女性が気に入れば文通やお互いの写真を交換し、その後結婚が決まれば日本で入籍を済ませ、妻がアメリカへ渡る、というシステムである。この写真結婚は1908年まで続き、写真結婚をした女性のことを「写真妻」と呼んだ。ゼミ論では、写真結婚を決意した日本人女性達の考えやその理由、写真結婚に対する自分の意見などを述べた。

 第2次世界大戦と日系アメリカ人の関係は非常に複雑なものであった。調べていくうちにアメリカで生活を営む日系人にとって、この戦争は生活面や精神面において苦痛そのものであることが分かった。家族がFBIに捕らえられたこと。強制収容所に入れられたこと。戦争が始まり日系人であるというだけで中傷され、近隣の家族と気まずい状態になってしまい苦しい思いをしたこと等を知り、調べていくうちに複雑な気持ちになった。なぜなら、アメリカ本土に存在した日系人約11万人のうちの、約3分の2の人々が市民権保持者だったからだ。アメリカで生まれ育ち、アメリカを母国としていた彼らにとって、この戦争は信じ難いものだったと思う。

 今回のゼミ論で、写真結婚や第2次世界大戦のことに触れたことがきっかけで、今まで自分が知らなかったアメリカの文化や歴史を垣間見ることが出来た。卒業してからも積極的に日系アメリカ人の歴史や出来事について、調べていきたいと考えている。             

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