中村(敦)研究室
       
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アイロニーから読み取れるアメリカ人像


                                      北野 智之


 私は中村ゼミに入る前からアメリカ人はどういう人たちなのかということを調べたいと思いアメリカ文化のゼミを選びました。中村ゼミではアメリカの人権や教育、その他様々なアメリカの文化について調べてきましたが、思いのほかアメリカ人とはこういう特徴があるということはほとんど出てこないのです。そこで私はゼミ論で調べることにしましたが、これといった文献も見つからず、果てしなくまとまりのつかないことを調べていることに気づき、テーマを絞りアイロニーについて狭く深く調べてみることにしました。

 アイロニーはDon McCormick『英会話に役立つアメリカ人の思考と論理』 (Nova, 2000年)にアメリカ人のアイロニーは日本から見ただじゃなく、その他の英語圏から来た人でも、アメリカ人のアイロニーの数は多く理解するのが難しいということが書いてあります。そこで私はアメリカ人が他の国の人々よりもアイロニーを多用していることからアイロニーの特性とアメリカ人の特徴に何らかの関係性があるのではと考え調べてみることにしました。

 1つにはアイロニーを使うことにより事実を印象づける効果がある。2つめにはユーモアの効用。ユーモアはアメリカン・ジョークという周知の言葉もあるとおり、アメリカ人の会話の中でしばしばユーモアを求めます。そのためアイロニーが使われることもよくあります。3つめにアイロニーは否定的な事柄をポジティヴに言うことで発生しやすく、その逆では発生しにくく、ポジティヴな側面が見られます。これもまたこれまでのアメリカ人像と一致するものでありました。他にも攻撃をやわらげる効果や互いに認知可能な状況が必要である。アイロニーの背景には期待がある。理解力の向上、対人配慮やポライトネスがあるなどこれらの特性はアメリカ人の特徴と関係がある可能性は十分ありますが、結びつけにくいところがありました。

 結論としてアイロニーにはある程度アメリカ人の特徴との関係性がありましたが、アイロニーに関する研究がまだ不十分なところもあり、曖昧な結論になってしまったところもあり、まだまだ研究できる分野であると思います。

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